「恋愛できない女は洒落にならない」はどこまで本当か
はてなダイアリー界隈では、以前から「非モテ女性不可視論」が論じられてきました。これは、はてなダイアリーで「非モテ」を名乗る女性が男性に比べて少ないことから、「非モテの女性はどこに居るのか？」が度々話題になったためです。
今回は、これに関連したMasao氏のこちらの記事より。
ここで考えてみたいのは、引用文中の「洒落になる／ならない」という基準についてです。これについてMasao氏は「社会的に女は恋愛が、男は金稼ぎが仕事だから」と述べているわけですが、この時点で既に判断基準に偏りがあるんです。
「社会的に女は恋愛が仕事」という記述が成立するためには、恋愛によって何らかの報酬が得られなければなりません。これは普通に考えれば「恋愛結婚」ということになるでしょう。戦後のある時期には、「結婚によって生活の糧を得る」女性が大半だった時期がありました。しかし、現代は最早「結婚によって生活の糧を得られる」時代とは言い難いでしょう。「結婚だけで生活の糧を得られる」ような男性の割合は少なくなっており、「恋愛（結婚）を仕事にする」ことができる女性の割合もそう多くはないはずです。
とすれば、必要性という点だけで考えれば「恋愛できない女が洒落にならない」ということにはならないはずなんです。実際、2chのもてない女板を見れば、「恋愛ができない」＝「結婚できない、生活の糧が得られない」と考えている女性がほぼ皆無であることがすぐに分かります。
では、Masao氏は一体何の話をしているんでしょうか？ 氏の記事の脚注を見てみましょう。
これを言い換えれば「女性は恋愛することで周囲から承認される」「男性は金を稼ぐことで周囲から承認される」ということになります。「承認される」を「褒められる」とか「羨ましがられる」とかに置き換えてもいいでしょう。これは「〜しないと生きていけない」という意味での「切実さ」とは全くの別物です。要するに、Masao氏の言う「恋愛できない女は洒落にならない」というのは、「馬鹿にされる」とか「存在を無視される」という類の問題と同質なんですね。
では「恋愛できない女」を「洒落にならないものと見なしている」しているのは誰か？ 言うまでもなく、最初に言い出した人達です。つまり、「非モテ女性不可視論」を唱えている人達こそが、非モテ女性を「洒落にならないもの」と考えているんです。
以上のことを踏まえれば、「社会的に女は恋愛が仕事」という命題を最も信じているのは当のMasao氏本人なのではないか、という疑いが当然出てきます。大野氏の記事はこの点に踏み込んだものですが、Masao氏は大野氏の疑念を否定しています。私自身は上記の理由から、Masao氏の「反論」に対して未だに懐疑的ですが。
さて、不可視だ不可視だと言われ続けている非モテ女性ですが、こちらの記事ではMasao氏の記事に対して「不可視である理由」が語られています。
正午氏は「文章だけで筆者の性別を判定できる」とどこかで書いておられましたが（記憶違いでしたらすみません）、そんな超能力を持たない普通の人には、文章を見ただけで「書き手の性別」を知ることはまず不可能です。
それでも、「非モテ女性」は別に文字通りの意味で「不可視」なわけではありません。先程挙げたもてない女板には毎日2000件程の書き込みがありますし、はてなダイアリーで非モテを名乗っている女性は「少ない」とは言ってもゼロではありません。「非モテ女性が不可視」というのは「非モテ女性が非モテ男性に比べて、はてな内で話題になっていない」という程度の話でしかないんですね。「非モテ女性不可視論」は「非モテ女性」側の問題ではなく、「非モテ（をネタに使っている）男性」の問題なんです。
今回は、これに関連したMasao氏のこちらの記事より。
http://d.hatena.ne.jp/kusamisusa/20061004/p1僕はコレは、「社会的に女は恋愛が仕事だから」なんじゃないかと考えています。これは、「女のニートは家事手伝いと名乗れて、男ほど問題視されない」のと表裏一体です。
たとえば、「女版ラジオクリルタイ」なんて想像できますか、みなさん。ブスが寄り集まって素晴らしい人々へのルサンチマンを語ったり暗い学生時代を振り返ったりするネトラジ。ちっとも笑えない話になるか、やたらハイテンションなお笑いになるか、じゃないでしょうか。非モテ男と非モテ女、いまだ、とてつもなく異質なり。
- 女は「恋愛が仕事」だから、恋愛しない／できない女は洒落にならないけど、働かない／働けない女はネタになる。
- 男は「金を稼ぐことが仕事」だから、働かない／働けない男は洒落にならないけど、恋愛しない／できない男はネタになる。
ここで考えてみたいのは、引用文中の「洒落になる／ならない」という基準についてです。これについてMasao氏は「社会的に女は恋愛が、男は金稼ぎが仕事だから」と述べているわけですが、この時点で既に判断基準に偏りがあるんです。
「社会的に女は恋愛が仕事」という記述が成立するためには、恋愛によって何らかの報酬が得られなければなりません。これは普通に考えれば「恋愛結婚」ということになるでしょう。戦後のある時期には、「結婚によって生活の糧を得る」女性が大半だった時期がありました。しかし、現代は最早「結婚によって生活の糧を得られる」時代とは言い難いでしょう。「結婚だけで生活の糧を得られる」ような男性の割合は少なくなっており、「恋愛（結婚）を仕事にする」ことができる女性の割合もそう多くはないはずです。
とすれば、必要性という点だけで考えれば「恋愛できない女が洒落にならない」ということにはならないはずなんです。実際、2chのもてない女板を見れば、「恋愛ができない」＝「結婚できない、生活の糧が得られない」と考えている女性がほぼ皆無であることがすぐに分かります。
では、Masao氏は一体何の話をしているんでしょうか？ 氏の記事の脚注を見てみましょう。
＊1：「社会的に恋愛することを求められているから」とか「恋愛して当然と思われているから」でもいい。
＊2：「社会的に金稼ぎすることを求められているから」とか「金稼ぎして当然と思われているから」でもいい。
これを言い換えれば「女性は恋愛することで周囲から承認される」「男性は金を稼ぐことで周囲から承認される」ということになります。「承認される」を「褒められる」とか「羨ましがられる」とかに置き換えてもいいでしょう。これは「〜しないと生きていけない」という意味での「切実さ」とは全くの別物です。要するに、Masao氏の言う「恋愛できない女は洒落にならない」というのは、「馬鹿にされる」とか「存在を無視される」という類の問題と同質なんですね。
では「恋愛できない女」を「洒落にならないものと見なしている」しているのは誰か？ 言うまでもなく、最初に言い出した人達です。つまり、「非モテ女性不可視論」を唱えている人達こそが、非モテ女性を「洒落にならないもの」と考えているんです。
以上のことを踏まえれば、「社会的に女は恋愛が仕事」という命題を最も信じているのは当のMasao氏本人なのではないか、という疑いが当然出てきます。大野氏の記事はこの点に踏み込んだものですが、Masao氏は大野氏の疑念を否定しています。私自身は上記の理由から、Masao氏の「反論」に対して未だに懐疑的ですが。
さて、不可視だ不可視だと言われ続けている非モテ女性ですが、こちらの記事ではMasao氏の記事に対して「不可視である理由」が語られています。
何故かいないということにされているので、ここでひっそり手を挙げておきます。
思うに、もし読者がネット上で非モテ女を見かけても、そこでは女と認識されず、読者の脳がデフォルトで男に分類してしまっているんじゃないでしょうか。ゆえにネットに非モテ女はいない、と。（中略）ネット上では特に女を前面に出すことをしなければ、読者の先入観で自動的に男に分類されます。
正午氏は「文章だけで筆者の性別を判定できる」とどこかで書いておられましたが（記憶違いでしたらすみません）、そんな超能力を持たない普通の人には、文章を見ただけで「書き手の性別」を知ることはまず不可能です。
それでも、「非モテ女性」は別に文字通りの意味で「不可視」なわけではありません。先程挙げたもてない女板には毎日2000件程の書き込みがありますし、はてなダイアリーで非モテを名乗っている女性は「少ない」とは言ってもゼロではありません。「非モテ女性が不可視」というのは「非モテ女性が非モテ男性に比べて、はてな内で話題になっていない」という程度の話でしかないんですね。「非モテ女性不可視論」は「非モテ女性」側の問題ではなく、「非モテ（をネタに使っている）男性」の問題なんです。
