冬と非モテとクリスマス

 今回は軽めの更新です。
 「革命的非モテ同盟」の古澤氏が、クリスマスイブの日にちょっとしたイベントを開催されます。それを読みながら、思い出した話をつらつらと。

 日本では、若者にとってのクリスマスは「恋人と共に過ごす日」という風潮があります。しかし、中高時代から恋愛文化と縁遠かった私は、クリスマス殲滅委員会のページを目にするまで、この風潮を全く知りませんでした。
 このページを最初に見つけたのは、クリスマスの時期ではありませんでした。それでも強く印象に残っているのは、それが「世間でのクリスマス」に初めて触れたきっかけだったからでしょう。

 最初は「クリスマス自虐ネタ」や「カップル狩り」の意味がよく分からなかった私も、幾つかのサイトを見て回るうちに、これが「クリスマスの風潮を逆手にとったお祭り」であることに気付きました。「クリスマスに一緒に過ごす人がいない」と言うだけで仲間意識を得られ、「世間でのクリスマス」をパロディ化したネタで盛り上がるという趣向は、Web上のお祭りとしてはなかなか秀逸なものでした。皆で「クリスマスなんて嫌いだ!」と叫びながらクリスマスを祝う。多少屈折してはいるけれども、ひねりの効いた、洒落たクリスマスイベントだなぁと思ったものです。

 ただ、当時は見落としていたことが一つあります。それは、ネタではなく真に迫る寂しさとして「クリスマスの孤独」を感じていた人達もいる、ということです。そうした人達にとって、あの「お祭り」は単なるWeb上の余興ではなく、「どうしようもない寂しさを紛らわせるために必要なハレの行事」だったのかもしれません。もっとも、こうした企画を主催していたテキストサイト管理人の人達は、それほど深刻に「クリスマスの孤独」を捉えていたわけではないと思いますが。

 クリスマスはちょうど冬が深まっていく時期で、孤独を感じるにはちょうどいい時期とも言えるかもしれません。この日が日本で「恋人達のための日」として定着したのも、冬のこの時期という季節の問題が大きい気がします。
 クリスマスが寂しいと思ってしまう人達は、どうせ寂しいと思うなら、とことん孤独感を噛み締めてみるのもいいんじゃないかな、と個人的には思います。もちろん、寂しさを埋め合わせるためにネットで大騒ぎしてみるのもいいし、街頭でアジってみるのもいいんですけどね。

 今年もクリスマスが近づいてきました。
 地理的な理由で参加できませんが、古澤氏の企画も、影ながら応援しています。